2003年2月8日土曜日 朝日新聞

結城朝光 没後750年目

「結城」姓の80人全国から「参上」  16日、結城で記念祭

結城の初代城主・結城朝光が、87歳でこの世を去ったのが1254(建長6)年。750年目にあたる今年、結城市では市民団体が中心になって、地元ゆかりの「結城家」に着目した記念事業を進めている。全国にいる「結城さん」に参加を呼び掛け、16日に市内でシンポジウムを開く。戦時中、空襲で焼失した日本3大名槍の一つも復元、公開される。人口5万人の市が、「結城朝光750年祭」で活気づいている。

元服式を再現、法要や講演会も

750年祭は市と結城商工会議所が後援し、市民団体「結城朝光会」が主催する。16日午前10時から、市中央公民館である紬(つむぎ)太鼓の演奏で開幕。地元にちなんだ民話や紙芝居の後、午後から歴史小説家・大森隆司氏による結城一族の記念講演会と一龍斎貞花の講談がある。
健田須賀神社では献茶式の後、主役の朝光公元服式を再現。称名寺では大法要が営まれるほか、ゆかりの弘経寺では、江戸時代の俳人で同市に滞在した与謝蕪村筆によるふすま絵「楼閣図」が公開される。
結城朝光会はこのイベントに、全国にいる結城さんを招待した。「祭りで結城一族の偉業をたたえるとともに、全国に情報を発信することで結城の街を活性化させたい」と小西栄造会長(結城商工会議所会頭)。結城家にゆかりがある人々や、東京と福井にある「結城会」、年鑑、電話帳などを頼りに、結城姓のリストを作った。
この結果、全国にいる5353軒の「結城さん」の住所が分かり、昨年暮れに案内状などを送った。
都道府県別では@山形県887通A東京都412通B宮城県393通C北海道369通D福岡県359通の順で多く、沖縄県にも3通送るなど、ほぼ全都道府県に結城姓が点在していた。
県内は伊奈町を中心に93通。しかし、意外にも結城市内には少なく、2軒だけだったという。
7日までに約130人から返事があり、うち約80人ほどがイベント参加を希望しているという。結城朝光会は15日に前夜祭を開き、全国の結城さんが互いに交流を深めてもらうことにした。


第2次大戦で焼失「お手杵の槍」復元 静岡県島田市が寄贈

戦時中、東京都内の空襲のため焼失した「お手杵の槍」が今月、結城市に寄贈された。16日の750年祭で、一般に公開される。
お手杵の槍は結城17代城主の晴朝が、現在も静岡県島田市に伝わる島田鍛冶の名匠五条義助に製作を依頼したとされる。刃にあたる穂の長さが1.4メートル、持つ柄の部分が3.6メートル、鞘の高さが1.5メートル。鞘が手杵の形をしていることから、この名が付いたとされる。
黒田節の「飲み取りの槍」として知られる「日本号」と、徳川家康の重臣だった本多忠勝が使った「蜻蛉切りの槍」とともに、日本3大名槍の一つに数えられていた。
槍は晴朝から18代の秀康を経て、結城家を継いだ結城松平家に伝わり守られてきたが、1945年の東京空襲で焼失した。今から10年前、結城松平家に詳しい都内の会社員(47)が資料を整理していたところ、焼失前に写した写真が見つかり全体像がわかったという。
結城松平家の研究がもとで、この会社員と知り合った4人の島田市議が、島田鍛冶の伝統を受け継ぐ同市内の鉄工所に復元を依頼。57年ぶりによみがえった。2月1日に島田市で贈呈式があり、結城市の平塚明市長らが、島田市の桜井勝郎市長から受け取った。


イベント機に朝光を漫画化

結城ロータリークラブ

結城ロータリークラブ(滝沢恒夫会長)はイベントに合わせて、朝光の生涯を漫画で紹介した「結城朝光物語」を作成した。16日に贈呈式があり、市内の小学3〜6年の児童約2千人に配られる。
物語は小山政光の子としての生い立ちから始まり、源頼朝の鎌倉幕府成立に貢献した朝光の活躍ぶりが描かれている。
同クラブがNPO法人「ふるさと日本プロジェクト」(本部・東京)に制作を依頼。同法人は全国各地からの依頼を受けて、教科書で扱っていない地元の偉人を、漫画で子どもたちに紹介し続けている。
A6判、34ページ。来年度以降も新3年生に配布を続ける予定だという。

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